KWMとは、以下の五つの動作をシステム化した教育研修の道具、である。
1. 先生は準備をする
2. 先生は伝えた内容を覚える
3. 学生はノートをとり、質問する
4. 先生は3.に応える
5. 学生は4.の振り返りを行う
★ 教員の初期、伝わっているか、が常に気になった。学生のことが知らなさすぎる、と嘆いた記憶だ。
諸先輩の素晴らしい講義の数々から、いい研究者にはいい・わるい教員がいるが、いい教員に、わるい研究者はいないと感じた。優れた研究とそれを伝えたいハートがよき授業を生み出すと信じている。
20年ほどまえに、知りたければ聞くまで、と腹をくくり、学生諸君に記憶に残ったKWを教えてほしいとお願いした以来。彼らによって教えられたKWMの基本的仕組みは、教員のKWを用いた授業準備、授業後学生記憶状況報告、教員のFB、である。学生からの情報収集は、当初はレポート、後e-mailを用いたが、内容を分析し的確にFBするためには、膨大の情報を処理する時間的問題があった。2006年本学着任して出会った栗島一博君は、KWMのWeb版をテーマに2012年、情報工学博士を取得した。
今回リリースするIcon VerはこれまでのPC専用であったBlue Ver. とGradation Ver. をベースにしながら、タビュレットやスマートフォンで、世界の各国の人々が感覚的に使えることをコンセプトに新たにデザインしたものである。例えば、学習者(ATT)はグリーン、コース責任者(COM)はパープル、クラス担当者(CLM)はブルー、システムはブラック、事務担当者(ADM)はレッド、と役割を色で分けていて、どこかで使われるかもしれない白黒画面でも鮮明に区別できるように工夫している。また9カ国の言語に翻訳がされているものの、まったく同じ画面で表示できるように工夫している。今回デザインしたアイコンは今後より多くの国々の人々に認識できるようにさらに磨きをかける必要があろう。勤務時間外での作業のため徹夜を余儀なくされるなか、私たちには素晴らしき仲間の祈りと支えがあった。ひとり一人を覚え、感謝申し上げたい。
★2004年と2010年にKWM関連特許を出願、商標登録をすませ、国公立小中学校に無償でKWMを配布できる会社を探してきた。最新のICT技術とアイデアを駆使したKWMを全世界、全国の学習者に配布するには、それなりの資金力と情熱が必要だが、見つからず。その間、教え子が学校関連でのビジネス、商業ベースの会社を設立、本研究室から旅たったばかり。どちらも、まだヒヨッコの会社だが、少なくとも教育への情熱だけは、指導教員として保証できる。比較的余裕のある国の私立学校、大学、会社にはそれなりの金額を請求してほしい。両者とも人並みの収入を確保した上、小生との約束を果たしてくれることを信じている。
将来的には、KWM Foundationを設立し、全世界の国公立の小中学校や教育関連の非営利団体に、無償で提供したい。その際にはOpen source developmentを導入する予定である。
(Doosub Jahng)